坂本花織さんは、トリプルアクセルも4回転ジャンプも持たない状態で世界選手権4回優勝・オリンピック3大会連続メダルという偉業を達成しました。
大技に頼らず「質」と「安定」で頂点を極めた稀有なスケーターです。
この記事でわかること:
- 坂本花織さんが世界王者になれた技術的な理由(GOE・PCS・スケーティング)
- 「採点がおかしい」「大技なしでなぜ強い?」という疑問への答え
- 2026年の引退・結婚・コーチ転向まで最新情報
| 項目 | 内容 |
| 氏名 | 坂本花織(さかもと かおり) |
| 生年月日 | 2000年4月9日 |
| 年齢 | 26歳(2026年現在) |
| 出身地 | 兵庫県神戸市 |
| 身長 | 159cm |
| 所属 | シスメックス(2026年3月引退) |
| コーチ | 中野園子(4歳から師事) |
| オリンピック | 銅メダル(北京2022)・銀メダル(ミラノ2026) |
| 世界選手権 | 4回優勝(2022・2023・2024・2026) |
坂本花織の何がすごい?強さの3本柱
坂本花織さんの強さは一言で言えば「大技なし・ノーミスの完成度」です。
女子フィギュアのトップ選手がトリプルアクセルや4回転で得点を狙う中、坂本さんはそのどちらも構成に入れていません。
それでも世界4連覇を達成しています。GOE(出来栄え点)・PCS(演技構成点)・精神力の三位一体が強さの核心です。
トリプルアクセルも4回転もなし│世界4連覇できた理由
フィギュアスケートの女子シングルでは近年、トリプルアクセル(3回転半)や4回転ジャンプを跳ぶ選手が増えています。
しかし坂本花織さんはこれらを構成に組み込まず、3回転ジャンプの精度を極限まで高める戦略を取りました。
その結果として「トリプルアクセルなしで80点超え」という、過去には一部の世界的な金メダリストしか達成できなかった数値を叩き出しています。
なぜこれが可能なのか、採点方式の仕組みにその答えがあります。
フィギュアスケートの得点は「技術点(TES)」と「演技構成点(PCS)」の合算です。技術点の中でも「GOE(出来栄え点)」はジャンプの質で大きく変動します。
坂本さんのジャンプはトリプルアクセルこそありませんが、一つひとつのジャンプが審判から最高評価のGOEを引き出せる完成度を持っています。
大技を失敗するリスクを抱えながら高難度に挑むより、成功確率の高いジャンプで確実にGOEを積み上げる方が合計点は高くなるケースがあります。
それが「坂本スタイル」の根幹です。
本人も「トリプルアクセルなしでここまで点数を上げられたのはすごくいい経験になった」と語っています。
3Aを持つ選手がジャンプを失敗すると、基礎点から大きく減点されます。
一方で坂本さんはほぼノーミスを続けられるため、試合ごとの得点の振れ幅が小さく、安定した結果を残せます。
技術を「絞り込み、磨き切る」ことで頂点に立った稀有な例として、フィギュアの歴史に名を刻んでいます。
現役最後のシーズンとなった2025-26年も同じ戦略を維持し、2026年世界選手権では自己ベスト更新となる238.28点で優勝。
大技なきまま有終の美を飾りました。
坂本さんが「高難度ジャンプを入れない」という選択を22年間貫けた背景には、中野園子コーチとの信頼関係があります。
高難度ジャンプへの挑戦は体への負担も大きく、故障リスクとのトレードオフになります。
「今ある武器を最大限に磨く」という戦略を2人で長年共有し続けたことが、現役期間を通じて安定して戦い続けられた要因のひとつです。
大技なしでGOEとPCSを極めるという道が「誰も達成したことがない方法での世界制覇」を可能にしたのです。
フィギュアスケートの歴史を振り返ると、3Aや4回転なしで世界連覇を達成した女子選手は非常に稀です。
坂本さんが切り拓いた「完成度で勝つ」というスタイルは、今後の女子フィギュアの戦略に影響を与えるかもしれません。
次世代の選手がこのスタイルを参考に競技を組み立てる可能性は十分にあります。
GOEで圧倒│幅・高さ・流れを兼ね備えたジャンプ
GOE(出来栄え点)とは各ジャンプに対して審判が質を評価するスコアです。最大+5から最低-5まで変動します。
GOEでプラス評価される主な基準は次の通りです。
| GOEプラス評価の基準 | 坂本花織さんの評価 |
| 非常に優れた高さと幅 | ほぼ常に最高評価 |
| 踏切から着氷の流れ | 無駄なく流れる |
| 着氷後のスピード維持 | ほとんど落ちない |
| ジャンプ前後のスケーティング | 加速しながら入る |
| カウンターや難しい踏切 | 安定して実施 |
坂本さんのジャンプで特に際立つのが「幅(とび距離)」です。空中で大きな弧を描き、リンクを縦に広く使います。
着氷後もスピードがほとんど落ちません。通常のスケーターはジャンプ後に少しスピードが落ちるのですが、坂本さんはそのままの勢いで次のステップに移れます。
3回転フリップ-3回転トウループのコンビネーションは、特に出来栄えが評価される代表的な構成です。
同じ3回転ジャンプでも、GOEで+4〜+5の評価を安定して得られる選手は世界的にも少数です。
坂本さんはそれを複数のジャンプで継続的に実現しているのが他の選手との差になっています。
ジャンプの質がここまで高い理由の一つは、スピードを持ったまま跳ぶことができる技術にあります。スピードが出ているほど、ジャンプの幅と高さが自然に生まれます。
中野園子コーチの指導方針は「スピードを落とさずにジャンプに入る」ことを重視していたと言われており、4歳からの訓練がここに結実しています。
GOEの積み上げで技術点をかさ上げできる点が、大技なしで世界と戦える根拠の一つです。
坂本さんのジャンプは見た目にも「美しい」と形容されることが多いです。
高さと幅があり、着氷がしなやかで、その後の流れが自然に続きます。
GOEの数字は、そのスケートの美しさを採点システムが数値化したものとも言えます。
「見た目の美しさ」が「得点の高さ」にそのまま直結する選手は世界でも少数です。
実際の試合データを見ると、坂本さんの3Lz・3F・3Sはいずれも+3〜+5を安定して記録しています。
7本のジャンプすべてで高GOEを出し続ける選手は、世界的にも非常に少数です。
GOEの加点は1ジャンプにつき最大で基礎点の50%超になることもあります。
坂本さんはこの積み上げを全ジャンプで実現しているため、基礎点の差を演技全体の出来栄えで埋め、上回ることができるのです。
同じ3回転ジャンプを跳んでもGOEが-2と+4では6点の差が生まれます。
この差が7本積み重なれば最大40点以上のギャップになり、それがいわゆる「大技超え」の仕組みです。
PCSが高い理由│スケーティングスキルと音楽表現
PCS(演技構成点)は5つの要素で評価されます。
「スケーティングスキル」「トランジション」「パフォーマンス」「コンポジション」「インタープリテーション」の5項目です。
坂本花織さんはこの全5項目で世界トップ水準の評価を受けており、特に「スケーティングスキル」は際立っています。
スケーティングスキルとはエッジの使い方・ひざの使い方・滑走のスムーズさなど、スケートの基礎的な技術の質です。
4歳から中野園子コーチの下でスケートを始め、20年以上かけて磨き続けた基礎技術が評価の土台になっています。
音楽表現については「音楽を体で語る」という言葉が最もよく当てはまります。
音楽の構造を深く理解し、フレーズの強弱や緩急を全身で表現する能力が際立っています。
PCS75点台はフィギュア女子の歴代最高水準の一つです。
坂本さんはGOEとPCSの二本柱で得点を積み上げられる、現代フィギュアの教科書のような選手と言えるでしょう。
審判の評価は試合ごとにある程度変動しますが、坂本さんのPCSは大会を通じて安定しています。
演技の波が少なく、どの試合でもほぼ同じ水準を保てることが、長期連覇を支えた要因の一つです。
「インタープリテーション(音楽解釈)」についても高評価を維持しており、プログラムの世界観を体全体で表現する能力は審判から一貫して称賛されています。
スケーティングスキルの評価で9.0以上を継続的に獲得できる選手は世界でも少数派です。
坂本さんはこの指標を主要大会でコンスタントに達成し続けており、基礎技術の高さを数値で証明しています。
プログラムの楽曲が変わっても、エッジワークや体重移動の質は変わりません。
その安定した基礎がPCS全体の底上げにつながり、試合ごとのスコアのブレを最小限に抑えています。
強弱・緩急・スピードの変化を音楽に合わせて瞬時にコントロールできる能力は、20年以上のトレーニングの積み重ねがなければ生まれません。
「スケーターが音楽を演奏する」という表現が最もしっくりくるのが坂本花織さんの演技です。
坂本花織の採点がおかしいと言われる理由と真相
「坂本花織の採点はおかしい」という声がSNSなどで見られることがあります。
この疑問は主に「大技がないのになぜこんなに点数が出るのか」という驚きから来ています。
まずフィギュアスケートの採点方式を整理すると、技術点は「基礎点(ジャンプ種類の難易度)」と「GOE(出来栄え加点)」の合計です。
坂本さんのジャンプは基礎点こそトリプルアクセルを持つ選手より低いものの、GOEの加点で大きく回収します。
たとえば3Aの基礎点は8.00ですが、転倒すれば-5〜-3程度のGOE減点が加わります。
一方、坂本さんの3Lz+3Tは基礎点10.10(プログラム配置によって1.1倍)でGOEが+3〜+4ほど乗ります。
転倒した3Aは基礎点から大きく落ち込み、得点が約4〜5点前後になることがあります。
成功した坂本さんの高GOEコンビネーションは14点台に達することも珍しくなく、差は歴然としています。
また演技構成点(PCS)でも坂本さんは75点前後を獲得しており、これは世界トップ水準です。PCSが高い選手と低い選手では10点以上の差になることもあります。
「採点がおかしい」ではなく、採点システムを最大限に理解・活用した戦略で勝っているのが実態です。
採点方式のルールの中で最も効率よく点数を稼げる構成と演技を磨き切った結果であり、そこには批判の余地はありません。
ただし採点の透明性についてはフィギュアスケート界全体の課題でもあり、個別の試合での数値が納得しにくいと感じる場面があることも事実です。
国際スケート連盟(ISU)の採点はコードオブポインツ制度に基づき、全スコアがシートで公開されています。
採点の仕組みを調べれば調べるほど、坂本さんの点数は「採点システムの最大活用」として理解できます。
「採点がおかしい」という疑問を入口にして、フィギュアスケートの採点方式を学ぶ人が増えるのは喜ばしいことです。
採点の論理を知った後には、坂本さんの演技をより豊かに楽しめるようになるはずです。
坂本花織の海外の反応:「どんな結果でもレジェンド」
坂本花織さんへの海外の反応は、技術的な称賛と人間性への敬意が入り混じっています。
「加速が衰えない滑り」「リンク全体を支配するスピード」「信じられないGOEの安定感」という技術的な評価は多数あります。
「どんな結果でも彼女はレジェンド」というコメントが海外のファンから多数寄せられており、競技成績を超えた尊敬が伝わってきます。
2026年の最後の世界選手権(プラハ)では、海外記者が坂本さんに「あなたがそれを作ったのです」と言葉を贈った場面が話題になりました。
この「それ(it)」が指すのは、現在の女子フィギュアの採点水準そのものです。
坂本さんが継続して高いPCSとGOEを記録することで、審判の「基準点」が引き上げられた面があるという評価です。
ミラノ・コルティナ2026の個人銀メダル後には「これだけのプレッシャーの中でほぼ完璧な演技をする姿に感動した」という反応が英語圏のSNSで広まりました。
かつてロシア勢が圧倒していた女子フィギュアの世界で、日本選手として4連覇した事実は海外メディアでも大きく報じられています。
「日本品質」という言葉で坂本さんのスケートスタイルを表現した海外メディアもあります。
丁寧に磨き上げた技術とミスのなさを「日本のものづくりの精神に似ている」と評した記事もありました。
競技引退後も指導者としての活動がメディアで取り上げられており、「坂本花織というブランド」は世界のフィギュア界にしっかりと根付いています。
英語圏のフィギュアスケートファンコミュニティでは、坂本さんの演技を称える投稿が大会のたびに多数上がりました。
「OMG that GOE!(このGOEはすごすぎる)」というリアクションが定番になっていたほどです。
海外ファンが特に注目したのが「ジャンプ後もスピードが落ちない」という点で、それが技術水準の分かりやすい指標として伝わっています。
競技引退後も「コーチになった坂本花織を応援する」という投稿が見られ、選手を超えた存在として認知されています。
坂本花織が人気ないと言われる理由は本当?
「坂本花織は人気がない」という声が一部で聞かれますが、実態とは大きく異なります。
この声の多くは「フィギュアスケートのコアなジャンプファンの一部意見」として聞く必要があります。
具体的には「4回転やトリプルアクセルなど難しい技を見たいのに、坂本さんにはそれがない」という不満です。
スポーツ競技の中でも「超高難度技を見たい」という熱烈な層がいるジャンルで、そのニーズに応えていないという評価です。
しかし一般的な認知度と人気は非常に高く、日本のフィギュアスケーター全体の中でもトップクラスです。
北京五輪での銅メダルで日本全国から注目を集め、2022〜2026年の世界選手権連覇でさらに幅広いファン層を獲得しました。
企業スポンサーとしてシスメックスのサポートを受けるなど、競技外でのブランド価値も高く評価されています。
また笑顔でプレッシャーをはねのける姿、努力を続ける人間性、地元・神戸への愛着を語る素直な言葉が、競技ファン以外の幅広い層に支持されています。
引退後に開催したスケート教室が即日満員になったエピソードは、その人気の実態を示すものです。
「人気がない」という声はごく一部のコアなジャンプファンの意見であり、全体の評価を代表するものではありません。
坂本さんを知るきっかけは人によってさまざまで、五輪のテレビ放送で知った人・世界選手権の連覇で知った人・引退報道で知った人と幅広いです。
多様なきっかけで支持者が集まること自体が、広い人気の証明です。
引退会見での「結婚します」という発表は多くのメディアに取り上げられ、競技を知らない人にまで名前が届きました。
試合の結果だけでなく、坂本花織という人間を応援したいファンが国内外に多数いることが「本当の人気」の姿です。
坂本花織の経歴と引退後の現在
坂本花織さんは4歳でスケートを始め、22年間のキャリアを通じて日本女子フィギュアの歴史を塗り替えました。
2026年3月に現役を退いた後はコーチとして次世代の育成に取り組んでいます。
プロフィールと経歴年表
2000年4月9日、兵庫県神戸市に生まれました。
5人家族(父・母・姉2人・本人)の末っ子として育ち、3姉妹の中で最も活発な性格だったといいます。
| 年 | 出来事 |
| 2000年 | 兵庫県神戸市に誕生 |
| 2004年 | 4歳でスケートを始め中野園子コーチに師事 |
| 2018年 | 平昌五輪代表・女子シングル6位 |
| 2022年 | 北京五輪・個人銅メダル(233.13点)・団体銀メダル |
| 2022年 | 世界選手権(モンペリエ)優勝(236.09点) |
| 2023年 | 世界選手権(さいたま)優勝・史上初2連覇(224.61点) |
| 2024年 | 世界選手権(モントリオール)優勝・56年ぶり3連覇(222.96点) |
| 2026年2月 | ミラノ・コルティナ五輪・個人銀メダル・団体銀メダル |
| 2026年3月 | 世界選手権(プラハ)優勝・日本女子最多4回目(238.28点) |
| 2026年3月27日 | 現役引退発表 |
| 2026年5月13日 | 引退会見・一般男性との結婚を発表 |
神戸市内の小中高校を経て神戸学院大学経営学部に進学。所属企業はシスメックスで、競技と学業・社会人生活を両立しながら頂点を目指しました。
全日本選手権の優勝回数は通算7度を誇ります。
2018・2020・2021〜2025年と断続的に頂点に立ち続け、日本国内でも「時代を作った選手」と呼ばれています。
平昌五輪では6位と悔しい結果に終わりましたが、その4年後の北京五輪で銅メダルを獲得。
さらに4年後のミラノ五輪でも銀メダルと、3大会連続でメダルを積み上げた点は日本フィギュア史に残る成果です。
世界選手権での4回優勝は、浅田真央さんの3回優勝を超える日本女子シングル最多記録となりました。
4歳から中野園子コーチに師事│強さの源
坂本花織さんの技術の核心は、4歳から続く中野園子コーチとの師弟関係にあります。
中野コーチは1973年生まれのフィギュアスケート元選手で、かつて全日本選手権でトップ選手として活躍した経歴を持ちます。
4歳の坂本少女が入門した当初から「基礎を徹底的に磨く」という指導方針が一貫していました。
スケーティングスキルの高さ、エッジワークの精度、リンクを広く使う滑りはすべて、この20年以上のキャリアを通じて磨かれたものです。
中野コーチは選手時代からスケーティングスキルの高さで知られており、その技術を丸ごと坂本さんに受け継がせることができた点が他の選手との差別化につながっています。
「基礎を徹底し、土台を完璧にする」という指導哲学は、高難度ジャンプに頼らずとも世界と戦えるスケーターを作り上げました。
2026年の世界選手権後の引退会見で中野コーチがサプライズ登場し、「私の代わりに兵庫を盛り上げてほしい」と言葉を贈りました。
指導者と選手の関係を超えた22年間の絆が凝縮された場面でした。
引退後の坂本さんはコーチとして中野コーチの下で修業を開始しています。
「中野先生のようなコーチになりたい」という目標を公言しており、師弟の縁は第2章へと続いています。
グレアム充子コーチ(中野コーチとともに坂本さんを指導した英語圏出身の指導者)も引退会見に登場し、「中野先生になるまでサポートします」と激励しました。
中野コーチが坂本さんを指導した22年間は、フィギュアスケート界でも稀な長期師弟関係です。
選手がコーチを変えることが珍しくない競技の中で、4歳から引退まで同じコーチと歩み続けた事実は二人の絆の強さを物語っています。
「自分がかつて教わったことを次の世代に伝えたい」という気持ちで指導者に転身した坂本さん。
その姿は中野コーチの教育哲学が次の世代へ受け継がれていく証明でもあります。
坂本さんが育てた選手が将来の世界選手権で活躍する日が来るかもしれません。
父親・坂本修一はメンタルコーチ│家族の支え
坂本花織さんの父・修一さんは元兵庫県警察副署長という経歴を持ちます。
広島県福山市出身で、神戸学院大学法学部法律学科卒業後の1982年4月に兵庫県警察本部に入署。2020年3月まで38年間勤務しました。
退職後はスポーツメンタルコーチとして活動しており、花織さんのキャリアを精神面から支え続けています。
元警察官という職業柄、精神的な規律と粘り強さを大切にする価値観が娘に伝わっていると見られています。
坂本花織さんが試合でプレッシャーに動じず、笑顔で演技に臨める精神力の強さは、父親の影響が大きいといわれています。
修一さん自身がスポーツメンタルコーチに転身したのは、娘の活躍を間近で見ながら精神力の重要性を深く学んだことも理由の一つかもしれません。
母親は神戸を拠点に花織さんの日常生活全般をサポートしてきた存在で、長年の遠征・合宿を支えてきた陰の功労者です。
姉が2人いる家族の末っ子として育った花織さんは、年の離れた姉たちからかわいがられながら伸び伸びと競技に打ち込む環境がありました。
家族全員が坂本花織さんの競技を全力で支えてきた土台があってこそ、22年間の現役生活が成り立っていたのです。
父の坂本修一さんは警察官時代に培った「状況判断力」と「心理的アプローチ」をスポーツメンタルの指導に活かしています。
花織さんが試合前のルーティンを大切にし、プレッシャー下で安定した演技を続けられるのは、長年の精神的トレーニングの積み重ねです。
親子でメンタル面の準備についてしっかり話し合う習慣があったとされており、試合本番での精神的な強さはそこから生まれています。
修一さんがスポーツメンタルコーチへ転身したこと自体が、娘の活躍を通じて精神力の重要性を学んだ証でもあるかもしれません。
2026年ミラノ五輪銀メダルと世界選手権4回目の優勝
2026年のミラノ・コルティナ冬季五輪は、坂本花織さんにとって集大成の舞台でした。
女子シングルでは演技前から「最後のオリンピック」として大きな注目を集めました。試合では自己ベストに迫るスコアで銀メダルを獲得しています。
「悔しいって思えるこの4年の頑張りを認めてあげたい」「やりがいしかないオリンピック」という言葉が心に響いた方も多かったのではないでしょうか。
金メダルへの悔しさを正直に口にしながらも、4年間の努力を自分で認められる成熟した姿が海外でも高く評価されました。
団体戦でも銀メダルを獲得し、2022年北京に続いて2大会連続での団体メダルを達成しています。
五輪の約1か月後に行われた世界選手権(チェコ・プラハ開催)では、自己ベストを更新する238.28点で4回目の優勝を果たしました。
この優勝で浅田真央さんの持つ日本女子シングル最多優勝記録(3回)を更新し、新たな歴史を刻みました。
「コーチになった後のためにも良い引き際だった」と中野コーチが語ったように、最高の成績で現役生活を締めくくっています。
ミラノ五輪の演技後、坂本さんは「金メダルは悔しいけど、4年間の自分を認めてあげたい」と涙交じりに語りました。
プレッシャーの中で正直な感情を言葉にする姿が、多くの視聴者の心に響いたのです。
銀メダルという結果でありながら、その誠実な言葉と表情が最も印象に残る五輪の場面になりました。
競技の勝敗だけでなく、人間としての誠実さが称えられる選手であることを体現した舞台でした。
引退後はコーチへ│結婚も発表
2026年3月27日、坂本花織さんは現役引退を発表しました。
引退会見は5月13日に神戸で開かれ、一般男性との結婚も同日に発表するサプライズがありました。
会見には中野園子コーチとグレアム充子コーチもサプライズ登場。「中野先生になるまでサポートします」というグレアムコーチの言葉が印象的でした。
引退後はコーチとして神戸を拠点に活動をスタートしています。
三宅咲綺選手のコーチとして全日本シニア合宿に同行し、「怒号が飛んでくる」と報じられるほど熱血指導を展開しているとのこと。
合宿では先輩・後輩の関係を超え、指導者として厳しい言葉もかける場面があったといいます。
三宅選手が「坂本花織コーチから週2回ほど指導を受けている。
『何、甘えとんねん』と言われる」とコメントしており、本格的な指導者としての顔が見え始めています。
北海道・苫小牧では引退後初のスケート教室を開催し、即日満員の反響を呼びました。
「子どもたちに基礎から教えたい。
自分が中野先生から学んだことを次の世代へ伝えていく」というコメントは、22年間の集大成を次世代へつなぐ決意として受け止められています。
神戸で育ち、神戸のリンクで磨き続けた技術。その継承が坂本花織さんの第2の人生の軸になっています。
引退後の活動拠点として神戸を選んだのは、「地元でスケートを広めたい」という一貫した思いの表れです。
幼少期から22年間通い続けたリンクと街が、これからの指導活動の場になるのは自然な流れと言えます。
世界的なトップ選手が引退後すぐに本格的なコーチとして活動を始めるケースは多くはありません。
坂本さんが早期に指導者の道へ踏み出したことは、フィギュアスケートへの深い愛情と責任感の表れです。
中野コーチが作り上げた「スケーティングスキル重視」という指導哲学が、坂本さんの手によって次世代へ受け継がれます。
神戸から生まれた世界女王が、また新たな世界女王を育てる日が来るかもしれません。
まとめとよくある質問(FAQ)
坂本花織さんの強さと経歴の要点は次の通りです。
- トリプルアクセルも4回転も持たず、世界選手権4回・オリンピックメダル3大会連続
- GOEでジャンプの幅・高さ・流れを武器に得点を積み上げる
- PCSはスケーティングスキルと音楽表現が高く評価される
- 4歳から中野園子コーチに師事し20年以上かけて磨いた基礎技術が強さの根幹
- 父は元兵庫県警副署長のスポーツメンタルコーチ
- 2026年3月に引退・コーチ転向、引退会見で結婚も公表
Q. 坂本花織さんの何がすごいのですか?
A. 3Aも4回転もなしで世界選手権4回優勝・五輪3大会連続メダルという点が核心です。
GOEとPCSの二本柱で得点を積み上げる「完成度のスタイル」が最大の武器です。
Q. 坂本花織さんの採点がおかしいと言われるのはなぜですか?
A. 大技がないのに得点が高いことへの驚きから来ています。
GOEとPCSも得点に大きく影響します。坂本さんは両方で世界トップ水準を維持しており、採点システムを最大活用した結果です。
Q. 坂本花織さんはなぜ4回転やトリプルアクセルを跳ばないのですか?
A. 高難度ジャンプを跳ばずにGOE・PCSで稼ぐ戦略を選択しているためです。
3Aは失敗すると大幅減点となるリスクがあります。3回転の完成度を極めることで大技なしでもトップに立てることを証明しました。
Q. 坂本花織さんの海外での評価はどうですか?
A. 非常に高く、「どんな結果でもレジェンド」と海外ファンから多数のコメントが寄せられています。
最後の世界選手権では「あなたがそれを作ったのです」と言葉を贈られ、女子フィギュアの水準を引き上げた功績を称えられています。
Q. 坂本花織さんは引退後に何をしていますか?
A. 2026年3月27日に現役引退し、コーチとして神戸を拠点に活動しています。
三宅咲綺選手のコーチとして全日本合宿に同行するなど指導者への道を歩んでいます。引退会見では結婚も発表しました。

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